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ある日の放課後。人気の無い図書室の隅で菊丸といずみが何やらひそひそと相談しています。
「もう
…
どうしてこんなコトになっちゃうのよぉ!」
いずみの顔は恥ずかしさとやり場の無い怒りのあまり、真っ赤に染まっています。
「まぁまぁ
…
そう言わないで
…
可愛い後輩のためじゃないか!」
菊丸は、鼻息荒く下品な喜びに満ち溢れています。
一体何があったのでしょうか?
それは、いずみが図書館で調べ物をしていた時のことでした。
閉館前の図書館にはほとんど誰もいません。
いずみは読みかけの本を棚に戻しにだれもいない区画に本を戻して帰ろうとすると
…
「いずみ先ぱーい!」
小声で呼ばれているのに気づいたいずみが振り返ると、
1年後輩のユキが微笑んでいつの間にか立っていました。
「あら
…
ユキちゃん。」
ユキはきょろきょろと周囲に目を配り、誰もいないことを確認しているようでした。
「先輩
…
突然ですけど
…
」
にこりと笑ってユキが何か言いかけました。
「なぁに?」
いずみも釣られて微笑んで首を傾げます。
「この前
…
温泉旅行に行かれましたよね?」
「う、うん
…
それがどうしたの?」
不意をつかれていずみの顔から笑みが消えました。
「『リシオ・ノ・チャン・ミズイ』って心当たりないですか?」
ユキの口から思いもよらぬ単語を聞かされ、忌まわしい記憶がいずみの脳内に蘇りました。
温泉旅行に行ったいずみは、大浴場で見知らぬおじさんたちに丸出しのおしりを見られ、
しかも悪乗りした菊丸にサボテンに見立てられてしまい、散々な目に遭ったのでした。
その時菊丸がいずみのおしりサボテンにテキトーに名付けたのが
「リシオ・ノ・チャン・ミズイ」だったのです。
動揺を隠せないいずみは、小刻みに身体が震えだしました。
思わず後ずさりすると、本棚の冷たい感触が背中に走り、
驚いたいずみはビクンと身体が弾けました。
ユキは、黙っていずみの顔を覗き込んでいます。
「あ、あれはね、ユキちゃん
…
悪いのは菊丸なの。
わ、わたしは、あんなことするつもりは無かったんだけど
…
あれは、わたしが
…
お、おしり
…
」
観念して全てを告白しかけると、ユキの目が異様に輝き始めました。
「も、もしかして
…
いずみ先輩
…
隠し持ってるんじゃないですか!?
…
『リシオ・ノ・チャン・ミズイ』を!」
「隠し
…
持ってる?な、何のこと?」
ユキの言葉の意味が分からず、いずみは問い直しました。
「とぼけないでください!ちょうど良かった。
実は今日は、いずみ先輩に確認してもらう資料を探しに図書館に来たんです。」
「私に
…
見せる資料?」
いずみにはますます意味が分かりません。
「これですよ、見てください!」
小脇に抱えていた大きな百科事典のあるページをユキは素早く開いて指し示しました。
何やら解説文が書いてあります。
促されて仕方なくいずみは、口の中で呟きながら文章を読み始めました。
和名:トゲナシサボテン
東アジアの高温多湿地帯にのみ生息するサボテン。
名前のとおりトゲが無く、非常に柔らかい。暗所を好んで成長し、昆虫を捕食して養分とする。
しかし、日本種は近年の気候変化の影響をうけ、絶滅の危機にある。
学術名
…
事典の解説文の最後の単語に愕然となりました。
「が、学術名『リシオ・ノ・チャン・ミズイ』!?!?!?」
何かの冗談かと思いましたが、確かのその辞書には、
写真付きで本物のサボテン「リシオ・ノ・チャン・ミズイ」が解説されていました。
写真はもちろん、いずみのおしりではありませんでしたが、
丸いつるんとした妙な植物が白黒で写っています。
(あ、あの名前のサボテンは
…
じ、実在したの~!?)
ようやく、いずみにもユキの言わんとしていることが飲み込めてきました。
つまりユキは、いずみがこのサボテンを隠し持っていると誤解しているのです。
「いずみ先輩、わたし、以前からこのサボテン見てみたかったんです、お願いします、見せてください!」
いずみの先の発言が妙な確信を持たせてしまったらしく、ユキは完全に誤解しています。
「そ、そんな
…
あれはだから
…
菊丸が
…
」
しかし、今更あれが自分のおしりだなんて言い出せる訳がありません。
「あれ?
…
でもなぜユキちゃんは、私が温泉旅行に行ったというだけでその
…
サボテンと結びついたの?」
素朴な疑問がいずみに若干の冷静さを呼び戻しました。
ユキは、あっさりと答えました。
「実は、いずみ先輩たちが言った温泉には、偶然、私の祖父も行っていたんです。
その時撮影した写真にいずみ先輩らしき髪型の女性が見えたので、もしかしてと思って
…
」
そう言ってユキが見せた写真には、ぼんやりとでしたが、
確かにいずみらしきヘアスタイルの女性が浴衣姿で写っていました。
横には菊丸らしき小男の後姿もあります。
「た、確かに私のようね
…
」
認めるしかありませんでした。
「あの温泉地はかつて『リシオ・ノ・チャン・ミズイ』が大量に生息していたんですが、
今は幻の植物になってしまったんです。
祖父に写真だけでも撮って来てくれって頼んでいたんですけど、見つけられなかったらしくて
…
そんな事より、先輩たちのやった事は泥棒ですよ!もし私にも見せてくれないなら
…
」
ユキはここでわざと言葉を切りました。
「校則違反で生徒だけの旅行をした上に、貴重な植物を盗んだと桂木先生に報告します!!」
明らかに脅しに等しい言葉でした。
(困ったわ
…
『リシオ・ノ・チャン・ミズイ』の誤解はともかく、旅行の事がバレたら停学になっちゃうかも
…
)
いずみは努めて冷静に振舞いました。
「わ、分かったわ
…
だけど、ちょっと菊丸とも相談させて。あいつも無関係じゃないし
…
」
ここは、菊丸の悪知恵に頼るしかない。そう考えた上でのいずみの答えたのでした。
ユキも納得し、ようやくいずみは重圧から解放されました。
「先輩、じゃあお願いしますね♪」
再び無邪気な笑みを残してユキは図書室を去っていきました。
足音が消え、視界に誰もいなくなると、いずみはヘタヘタとしりもちをつき、独り呟きました。
「お、おしりがばれたんじゃないんだ
…
」
「
…
という訳なの。どうしよう菊丸くん
…
」
仕方なくいずみは、菊丸を図書室に呼び出して事情を打ち明け、冒頭の場面に至ったのです。
菊丸は策を巡らせているらしく、無言のままいずみの前から本棚の影に姿を消しました。
「ちょっと、菊丸、どこに行くの!?」
最後の手段に見放されてはたまらないといずみは怒号を含んで菊丸を呼び戻そうとします。
「つまり、いずみちゃんと僕が『リシオ・ノ・チャン・ミズイ』を見せて観察させてやれば
ユキちゃんは納得するんだろ?」
本棚越しに菊丸の声が返ってきました。
「そ、そうよ
…
元々はあんたのせいじゃない。何とかしなさいよ、私、停学なんて絶~対嫌なんだから
…
」
菊丸の存在が確認できて、いずみも僅かばかりの安堵感を覚えました。
「いずみちゃん
…
でへへ
…
いずみちゃんがもう一度『リシオ・ノ・チャン・ミズイ』に成りすまして
ごまかすしかないんじゃないの?」
(
…
言ってくると思ったわ!そう簡単に言いなりになるものですか!!)
菊丸の提案を見透かしていたいずみは、ここぞとばかりに言い返しました。
「でもね、菊丸くん。わたしの家にある『リシオ・ノ・チャン・ミズイ』を見せるのに
わたしが現場で立ち会わなかったらおかしいでしょ?無理よそんな作戦
…
」
「う、う~ん
…
そ、それはそうか
…
」
勝ち誇ったようにいずみは続けます。
「代役のおしりを使おうとしても駄目よ、千春やリンダは今回の件を知らないし、
第一あの子達じゃ口が軽くて信用できないわ。だからおしり以外の物で何とかごまかさないと
…
」
姿の見えない菊丸が再び沈黙しました。
「よし、仕方が無い、ぼくが何とかユキちゃんと交渉してみるよ。」
「本当?」
意外にもまともな提案をしてきたので、いずみは少々拍子抜けすると同時に胸を撫で下ろしました。
「いいアイデアがあるの?」
「もちろん」
菊丸が答えた次の瞬間、いずみの目の前の本がガバッと引っ込み、
代わりにそこから菊丸の顔がにじり出て来ました。
「ぼくに任せてよ!いずみちゃん!」
(とりあえず菊丸に交渉させよう、失敗したら次の手を考えなくちゃ
…
)
そんな本心をおくびにも出さず、いずみはかすかな笑みを浮かべてうなづきました。
日曜日の午後。
原田家にはいずみが一人でくつろいでいました。
ピンポーン♪
玄関のチャイムが鳴り響くと同時にずかずかと菊丸が家に入ってきました。
「き、菊丸くん!?」
突然の訪問を受け、いずみは露骨に困惑の表情を浮かべています。
「やぁ、いずみちゃん。今日は家の人誰かいる?」
「え
…
?ううん、おかあさんは朝からお友達と買い物に出かけたし、おとうさんはゴルフだけど
…
」
「そうか、ちょうど良かった。時間がないんだ。あがらせてもらうよ。」
「ちょ、ちょっと、菊丸くん!」
いずみの返事を待たず菊丸は大きな包みを抱えて家の中を移動し始めました。
「うん、ここがいいな!」
荷物を降ろした所は、いずみのおとうさんの書斎でした。
「ど、どうしたの?一体?」
訳が分からないいずみは、状況を全く把握できませんでしたが、
次の瞬間、菊丸の来訪の意図を理解しました。
「こ、この植木鉢は
…
ま、まさか
…
」
菊丸が包みをひらくとそこにはバケツほどの植木鉢が姿を現したのです。
「いずみちゃん、これから『リシオ・ノ・チャン・ミズイ』になり切って貰うよ!」
「ええ~!!!?説得してくれたんじゃなかったの~!?」
「ぼくは説得なんて言ってないよ、交渉してみるって言っただけさ。」
当然のように言い放ち、菊丸は聞く耳を持ちません。
「それに、ぼくに任せてって言った時、いずみちゃんは、同意したでしょ?
さぁ、早く準備してよ!『リシオ・ノ・チャン・ミズイ』を!この鉢の上におしりを乗せるんだ!」
「だ、騙したのね!」
「そんな事より、早くしないとユキちゃんが来ちゃうよ?いいの?
優等生のいずみちゃんは停学なんか食らいたくないでしょ?」
「~!!!」
菊丸にいい様にあしらわれ、いずみは手出しができません。
「で、でもどうやってごまかすのよ?図書館でも言ったでしょ?
わ、わたしがその
…
おしりを出したらこの家の主がいなくなっちゃうじゃない。そんなの不自然よ!」
「大丈夫!だからこの部屋が役に立つのさ!」
いずみの必死の抵抗もむなしく、菊丸は自信ありげに答えると、書斎の本棚に歩み寄りました。
(な、何をする気?)
いずみが思った瞬間、菊丸は本棚の一番下の段の書籍をどけると、
背面の仕切り板を蹴破ってしまったのです。
バキバキ!!
「きゃ、きゃあ!何するのよ!?これ、おとうさんの大事にしている本棚なのよ!」
止めに入った時には既に遅く、本棚には大きな穴が開いてしまいました。
「よし
…
こんなものかな?いずみちゃん、手伝って!早く!心配しないで、後で修復するから!」
仕方なく命じられるままにいずみも手を貸し、何やら怪しげな細工を終えると、
二人はひそひそと打ち合わせを始めたのでした。
それから約1時間後
ピンポーン♪
原田家に2度目のチャイムが鳴り響きました。
「こんにちわ~いずみ先輩、いらっしゃいます?」
ユキの元気な声が飛び込んできました。
「い、いらっしゃいユキちゃん。」
引きつった笑顔でいずみが迎えます。
「あ、いずみ先輩。今日は無理を聞いてくださってありがとうございます。」
ユキは素直に頭を下げました。
「い、いいのよ。他ならぬユキちゃんの頼みだもの。」
「よぉ、ユキちゃん!今日はぼくが解説するよ!」
菊丸も奥からのそのそと姿を現しました。
まず居間でいずみの用意したお茶とお菓子を楽しみながら、
「リシオ・ノ・チャン・ミズイ」鑑賞時の注意点を菊丸がユキに解説しました。
「いいかい、ユキちゃん、あのトゲなしサボテン、『リシオ・ノ・チャン・ミズイ』は、
とても光に弱いから、部屋の明かりは点けないでね。」
「はい。」
「それと必ずぼくの指示に従うこと!取り扱いが難しいからね。」
「はい。」
「それと
…
このサボテンのことは絶対誰にも言わないこと!いいね!?」
「は、はい!」
「よし
…
じゃあ、いずみちゃん、見せてあげようよ?」
「う、うん
…
でもわたし、食器を片付けてから行くから、二人は先に行ってて
…
」
ユキは二人の不自然な会話に全く気づかず、菊丸と書斎へ向かいました。
菊丸は書斎のドアノブを掴むと、一瞬間をおいて扉を開きました。
ギギギと軋みが響き、カーテンで光りが閉ざされた書斎が姿を見せました。
ユキは思わず照明を点けようとしましたが、菊丸に無言で制されました。
「さっき言っただろ。光に弱いからカーテンや明かりはご法度だよ。目が慣れるまで待って
…
」
言われたとおりにユキは暗い書斎の中をじっと観察して視界が広がるのを待ちました。
景色は徐々に漆黒から薄青く変わり、部屋の内部が少しずつ理解できるようになりました。
机、椅子、洋服ダンスなどの輪郭がはっきり感じ取れると、
本棚の最下段に妙な丸い物があることに気付きました。
「こ、これが幻のゲなしサボテン、『リシオ・ノ・チャン・ミズイ』なんですか
…
?」
絵・はるえさん
思わずため息を漏らしました。
それはサボテンと呼ぶにはあまりにも艶やかで美しい代物でした。
暗がりでも真っ白と判る丸いドーム上の物体が植木鉢の上に鎮座しています。
「きれい
…
」
絵・はるえさん
ユキには、まるで植木鉢にサボテンが腰掛けているようにも見えました。
そう、もちろん実際にはいずみが植木鉢に腰掛けているのでした。
2分前
…
菊丸とユキが移動している隙に、いずみは予めパンティを脱ぎ、
居間と書斎を結ぶドアを開きました。
ドアの向こうには、先程菊丸と二人で動かした書斎の本棚が立ちふさがっています。
しかし、その最下部は菊丸が開けた50センチ四方の穴があり、
さらにそこから書斎へ抜けると、すぐに大きな植木鉢が備えられていたのでした。
つまり、おしりを書斎へ突き出して、植木鉢に座ることでサボテンに成りすまし、
同時にいずみのアリバイを成立させようという菊丸の作戦だったのです。
恐る恐る下半身を植木鉢にあてがうと、植木鉢と土の冷たい感触が直に股間に伝わり、
いずみは思わず、ブルッと震えました。
アソコは辛うじて植木鉢の縁に隠れているので、じっとしていればユキや菊丸に見えることはなさそうですが、
当然油断なりません。
そこで、植木鉢を両足でぎゅっと締め付け、おしりと鉢を固定して待機することにしました。
その直後、二人が現れました。
もう逃げることはもちろん、動くこともできません。
いずみはサボテンになりきる覚悟を決めました。
絵・はるえさん
(こうなったら
…
最後までユキちゃんを騙し通してやる!)
ひとまずサボテンの全貌を眺めたユキは続いて生態の観察に入っていきました。
いずみの緊張が反映されているのか、おしりの表面にはうっすらと冷汗が滲み出ています。
「こうやって水分調節をしているのかしら
…
?」
いずみのおしりとは夢とも思わず、ユキはごく普通のサボテンとしての常識的な観察を続けています。
「ああ
…
それはね、ユキちゃんこうやって霧吹きで水を与えているんだ。」
菊丸はどこからともなく霧吹きを取り出すと、シュコシュコとコックを動かして霧状の水を吹き付けました。
(きゃああ!つ、冷たぁい!)
突然の菊丸のイタズラにいずみは危うく叫び声を出しかけましたが、
辛うじて喉の奥に飲み込んで耐え抜きます。
「お
…
この霧吹きは
…
」
あることに気付いた菊丸は、霧吹きの先端をつまんで何やら調節を始めました。
(うほほ~い!やっぱり!)
調節の結果、霧吹きの水は細く水鉄砲状に噴射され、
いずみのおしりの肉に一点攻撃を浴びせかけました。
(ひぃぃぃ!)
痛いともくすぐったいとも言えない触感がいずみのツボを刺激します。
水鉄砲の焦点は、おしりの割れ目を的確に撃ち抜きます。
水圧が肉を掻き分け、おしりの割れ目が徐々に広がりました。
「あ、菊丸先輩、あれは何ですか?」
ユキは無邪気さゆえの残酷さで、いずみのおしりをつかむと肉を広げて、
ある一点を露にしました。
「これ、このフジツボみたいな所!!」
「え、ええ~!?そ、そこは
…
」
さすがにたじろいだ菊丸は思わず握っていた霧吹きのトリガーを強く弾いてしまいました。
ぴゅっと飛び出した水撃が、おしりの聖地に思いっきり命中します。
(い、いや~ん!!だめぇ!)
反射的におしりがきゅっと縮み上がり、その動きに驚いたユキは、
押さえていた手をおしりから離しました。
「な、何?」
「つ、つまり
…
このサボテンは食虫サボテンってのは知ってるだろ?
ここに虫をおびき出して食べてしまうんだよ!」
いずみのおしりの聖地を思わぬ形で拝観したせいか、
若干動揺しながらも菊丸はいつもの出任せでユキを惑わします。
しかし、さすがにこれ以上ユキの好き勝手にされては正体がばれると思い、
「ユキちゃん、さっき言ったじゃないか!だめだよサボテンにむやみに触っちゃ!」
と付け加えました。
「は、はい
…
ごめんなさい。」
「さ、さぁもういいかな?いずみちゃんと3人でお茶し直そう。」
「そ、そうですね
…
」
潮時と判断した菊丸は、ユキを伴って出て行こうとしました。
いずみもようやくこの情けない格好から解放されると胸を撫で下ろします。
その時。
「ん
…
?何の音だ?」
原田家のガレージから何やら物音が聞こえました。
「ユキちゃん、ちょっと見てくるからここにいてね。」
「あ、はい。」
「サボテンに触ったらだめだよ!」
念を押して菊丸は部屋を飛び出して行きました。
一方取り残されたユキは再びサボテンをまじまじと凝視し始めました。
「本当にキレイ
…
」
眺めているうちに目線が完全にサボテンの高さと同じになりました。
「
…
あれ?このサボテン。思ったより大きいんだ
…
」
本棚の奥にサボテンの続き
…
いずみの腰から上の部分があることに気付いたのです。
興味を持ったユキは、サボテンに触れないよう植木鉢に手を伸ばし、引きずり出そうと試みました。
(ちょ、ちょっと、ユキちゃん!?)
予想外の展開にいずみはパニックに陥りました。
(サボテンに触ったらいけないよ!)
ユキはこの菊丸との約束を守り、サボテンに触ることなく、鉢植えごと動かし始めたのです。
(だ、だめぇ!ユキちゃん、引っ張っちゃだめ~!)
声にならない悲鳴を上げていずみが必死で抵抗します。
「こ、このサボテン、結構重いわね
…
でも、あと少し
…
!」
ずるずると植木鉢ごといずみのおしりが引きずり出され、
もう少しでユキがその正体に気づいてしまいそうになった時
…
(そ、そうだ
…
こうなったら
…
ごめんねユキちゃん!)
次の瞬間、いずみは自らおしりを動かしてユキの顔に押し付けました。
「うぷっ!?」
おしりでユキの顔面の感触を確認すると、いずみは腹に力を込めました。
ぷぴ~~~
気の抜けたトランペットのような音が真っ暗な書斎に鳴り響き、
続いて何かがドサリと倒れました。
「せ、成功したの!?」
書斎が静寂に包まれたのを確認すると、いずみはもそもそとそのままバックして書斎へ移動しました。
薄暗い書斎は濛々と黄色い煙に包まれています。
乱れたスカートを直しながら、いずみは呼吸を止めたまま、カーテンと窓を開け放ちました。
澱んだ空気が窓から抜けて行き、ようやくいずみは深呼吸をすることができました。
光を取り戻した書斎にはユキがピクピクと痙攣して失神しています。
「ごめんね~ユキちゃん。夕べ、焼肉いっぱい食べたから
…
」
「大変だよ!いずみちゃん!
…
あれ?」
居間に菊丸が飛び込んで来ました。
しかし、いずみは既に書斎へ移っていたので、当然誰もいません。
仕方なく書斎に移動し直すと、そこには何故か失神しているユキをいずみが抱きかかえています。
「ど、どうしたの?まさか正体がばれたの?」
「う、ううん。く、暗がりで頭をぶつけちゃったみたい
…
」
いずみは失神の本当の理由を隠して答えました。
「そうだ、そんな事より、いずみちゃんの親父さんが帰ってきちゃったよ!
今、車庫入れしてるから、もうすぐ入って来ちゃうよ!」
「ええ~!?ど、どうしよう
…
本棚壊したのがばれちゃう!あれ外国産でものすごく高いのよ!」
「そ、そんな事言われても
…
あれは後で修復するつもりだったんだよ
…
困ったなぁ」
菊丸は一瞬動きを止めると、いずみが開け放った窓に目を走らせ、脱兎のごとく飛び出しました。
「あ、き、菊丸~!」
「ごめんね、いずみちゃん悪いけどぼくはここで失礼するよん♪」
「ま、待ちなさい~!こらぁ、逃げるな卑怯者~!!」
いずみに後処理を全て押し付けると菊丸の姿は消えてしまいました。
「ど、どうしよぉ
…
」
どうやらいずみのおとうさんは、まだゴルフの道具などを車から降ろすのに手間取っているようです。
この間にとにかく書斎の状態を元に戻そうといずみは移動した本棚を押しますが、
女の子一人の力ではビクともしません。
「う、動かな~い
…
」
本棚の移動を諦め、それ以外の小物を片付けることにしましたが、
菊丸の持ち込んだ植木鉢もかなりの重量でうまく捌けません。
「せ、せめて何か鉢植え植物があれば、こんな大きな植木鉢があっても不自然じゃないんだけど
…
」
途方にくれたいずみはふと、足元に転がっているユキに目を落としました。
「そ、そうだ、わたしがサボテンを演じたんだから
…
ご、ごめんねユキちゃん
…
」
泡を吹いているユキをうつ伏せに転がし、謝りながらもいずみは、ジーンズのベルトを緩めると、
一気にパンティごと引き摺り下ろしました。
いずみに比べるとはるかに小さな未成熟のおしりがぷるるんといずみの前に現れました。
「おーい!帰ったぞ。誰もいないのか~?」
いずみのおとうさんの声が玄関に響きました。
「お、お帰りなさい
…
ゴ、ゴルフはどうしたの?」
「うむ、雨は降らなかったんだが、雷が発生してなぁ、危険なので中止になったんだ。」
「そ、そうなの?」
「ちょっと待ってなさい。ケーキを買ってきたから、クラブを片付けてお茶にしよう。」
クラブを抱えておとうさんは、書斎に入っていきました。いずみも慌てて続いて入室します。
「な、なんだ?どうしたんだ?いずみ?」
普段見せない娘の行動におとうさんは戸惑います。
「あ、あのね、勝手だとは思ったんだけど
…
お父さんの書斎の模様替えをしちゃったの。暇だったし。」
「模様替え?何で自分の部屋じゃなくておとうさんの書斎を模様替えするんだ?」
「そ、それは
…
」
いずみが言い澱むとおとうさんは初めて書斎の「異形の植物(?)」に気付きました。
「お、おい、いずみ何だこれは?それにどうしてドアの前に本棚を移動しているんだ?
これじゃ居間へ直接行かれんだろう。」
そこにはいずみがユキのおしりを丸出しにして作った「サボテン」がありました。
当然、ユキは気絶したままいずみが演じていた時と全く同じ姿勢にされているので、
下半身だけを本棚から突き出し、おしりが植木鉢の上に腰掛けているポーズになっています。
「あ、あのね、これ珍しいサボテンで
…
え、えーと
…
『リシオ・ノ・チャン・キユ』っていう珍種なの。」
「こ、これがサボテンか
…
?」
おとうさんは眼鏡をかけ直してまじまじと植木鉢の物体を見つめます。
「珍しい形をしているな
…
」
「そ、そうでしょ?実はとても珍しい種でね・・・」
いずみは菊丸の受け売りで尤もらしい説明を捲くし立てました。
その結果、おとうさんもサボテンだと信じ始めました。
(う、うまくいくかしら?)
ところが
…
「ばかもーん!これがサボテンの訳ないだろう!」
「ど、どうして
…
?」
「サボテンが靴下を履くわけなかろう!いずみ!お前は、人様の娘を
…
」
植木鉢の両足を掴むと、おとうさんはユキの身体を書斎へ引き摺り出しました。
ユキはまだ気絶したままです。
あまりに慌てたいずみは、ユキの靴下を脱がすのを忘れてサボテンにしてしまっていたのでした。
「ご、ごめんなさ~い!」
慌てていずみは逃げ出そうとしましたが、廊下へ通ずるドアはおとうさんが立ち塞がっています。
とっさにサボテンを演じていた本棚の穴から逃げ出そうといずみは判断し、
本棚に頭から飛び込みました。
ところが
…
ずぽっ!!
あまりに慌てたので、本棚におしりが支えて、身動きがとれなくなってしまいました。
いずみのおしりにはユキのパンティが納まっていました。
実は脱がしたパンティの処分に困ったいずみは、自分がノーパンであることを思い出し、
ちゃっかり自分で履いてしまっていたのです。
「あ、あ~ん
…
動けない
…
」
絵・はるえさん
後方からいずみのおとうさんの威厳に満ちた声が聞こえます。
「む
…
そのパンティはこのお嬢さんのだな?
いずみ、おとうさんはそんなパンティを買ってあげた覚えはないぞ
…
そうだ、子供のころ悪いことをしたらいつも『お仕置き』だったのを覚えているか?」
一瞬にしていずみは顔面蒼白になりました。
「お、おとうさん
…
こ、これには訳が
…
」
「言い訳をするな。今日は久しぶりに『お仕置き』を楽しませて貰うぞ
…
ほぉ
…
おしりだけは一人前に成長したな、お父さんは嬉しいぞ。」
あっさりとパンティを脱がされ、おしりが露な姿で晒されました。
そして、言葉が途切れたと同時に、
ヒュっと軽い音がしていずみのおしりにおとうさんの掌が叩き付けられました。
ぱちぃん!
「い、痛ぁ~いいいい!ごめんなさ~い!」
続けざまにおしりに平手がパチンパチンと叩きつけられます。
いずみは段々意識が朦朧とし、逃げる代わりにおしりへの痛みを受け入れることで
少しでも苦痛から逃れようと本能的に判断していました。
艶かしく左右に揺れる実の娘のおしりを見ておとうさんも徐々に倒錯的な快楽に浸り、
鼻息荒くお仕置きを続行します。
「ハァハァ
…
お、おとうさぁん
…
ゆ、許してぇ
…
あぁん!」
絵・はるえさん
ぶたれる度におしりの肉はプルンプルンと大きく波打ち、その白いおしりの肉に手形が刻み込まれます。
やがていずみのおしりは、熟れた柿のように紅く染まり、ピクリとも動かなくなりました。
どうやらあまりの激しい「お仕置き」に失神してしまったようです。
ようやく一息ついたおとうさんは、ここで初めて倒れているユキに目を向けました。
「
…
」
ユキが下半身丸出しである事に気付いたおとうさんは、ゴクリと生唾を飲み込みました。そして
…
「う、う~ん
…
」
ユキがゆっくりと目を開きました。
「おお、気がつきましたかな?」
書斎のソファに寝かされたユキは、ゆっくりと身体を起こしました。
おとうさんが服装を元に戻したので、ユキは自分が気絶した間に何をされたか全く理解していません。
(あ
…
わたし
…
そうか、サボテンの毒ガスを吸って気を失ったんだ
…
)
「あ、あれ?いずみ先輩は?」
いずみのおとうさんが優しく話しかけます。
「娘のお友達だね?申し訳ないがいずみは先ほど私が急な使いを頼んだので出て行ったよ。」
「そ、そうなんですか
…
じゃあ今日は、帰ろうかな
…
」
相変わらず薄暗い書斎の本棚に目を向けると、ユキが気絶する前と変わらず
おおきな「リシオ・ノ・チャン・ミズイ」が植木鉢の上にちょこんと乗っています。
「あれ?少し紅い?」
「お仕置き」のせいでいずみのおしりが紅く腫れていることに気づきました。
「ああ
…
日に当たってしまったので少し痛んでしまったんだ。大丈夫、調整すればすぐに元に戻るよ。
サボテンはまた後日見に来なさい。歓迎するから。」
「本当ですか?あ
…
ありがとうございます!」
いずみのおとうさんからサボテン見学のお墨付を貰ったユキは、喜んで帰っていきました。
来客が帰るとおとうさんは、サボテンの前にしゃがみこみ、ゆっくりと語りかけました。
「聞いていたね?いずみ。おとうさんの大切な本棚を壊したお仕置きだ。
おまえはあのユキちゃんが来るたびにサボテンを演じ続けるんだ。いいね?」
おしりはそれに答えるかのようにプルプルと震え、
恥ずかしさに耐えるかのようにキュッと肉が引き締まりました。
「な、何よこれぇ!」
その日の夜。
自宅の浴室でユキの悲鳴が轟きました。
姿見の鏡にはユキのおしりが映っています。
そのおしりには大きな手形が一つ、紅々と打ち付けられていました。
おしまい
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感想一覧
【投稿者】
下さん
霧吹きとフジツボの件に興奮しました、もう少し長く悪戯していて欲しかったです。今後もいずみちゃんがサボテンを続けさせられるオチも良かったです。図形があったのは助かりました、絵はスゴイですね直に状況が分かりました。サボテンの絵に対する力の入れようも感じましたしw 次も楽しみにお待ちしています
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【作者よりお返事】
はるえさん
文章もテキトーですが、絵の方はもっとテキトーです。エクセルのオートシェイプの切り貼りだけなのですが、そもそもこんなややこしい事をしたのは、彩色の自信が無かったからです。次回作はやはり、コスプレ物にする事としました。書き始めて気づいたのですが、シチュエーションがある方の
SS
と同じなので、イメージが重複しないようにしたつもりです。しかしまた長くなってしまいました(笑)。それでも「いずみちゃん」の原則である、「舞台切替は2回まで(私が勝手に呼んでるんですが)」には沿ったつもりです。
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