(B)リンダ「デモ、腹踊リバカリ見ルノモ、アキタネ!」

「で、でしょ?今夜はもうお開きにしようよ?」
若干態度が軟化したリンダ気づき、いずみはここぞとばかりにめくられた服越しに訴えます。
「ソウネ場所ヲ変エテ、二次会スルネ!」
「外にいるのも少し冷えてきたしいずみの家でいいんじゃない?」
「わ、私の家?」
いずみは一瞬戸惑いましたが、この状況を打破するにはこの提案を受け入れるしかありません。
「う、うん
と、渋々承諾したのでした。
すると

「それじゃ、いずみ~私たち先に戻ってるね~!」
と言い残し、二人は何の未練もなく腹踊り姿のいずみを残して帰ってしまいました。
酒に酔った千春とリンダはいずみの事など全く気に留めていなかったのです
「ええ~!?ちょ、ちょっとぉ、これ、ほどいてぇ!」
フゴフゴともがく、腹踊り姿のいずみが、ボー然と桜の木の下に立ちすくしていました。

「ああ~ん、どぉしよう
ぽつんと取り残されたいずみは、笠を左右に揺らして戸惑うばかりです。
幸い家の近所なので、服の生地越しに見える僅かな視界を頼りに感覚で一歩、一歩自宅に向けて歩き出します。
ところが
公園から出て物の数メートルも進まないうちに、塾帰りの小学生の集団に見つかってしまったのです。
「わああ!な、なんだ、あれ!!」
「きゃああ、お化けぇ!」
いずみの異常な格好を見て、小学生達は蜘蛛の子を散らしたようにいずみに怯えて逃げていってしまいました。
「ち、違うの!ボク達ちょっと、おねーさんの話を聞いてよぉ!!きゃっ、痛い、痛い!」
ヨタヨタと子供達に駆け寄りましたが、余計恐怖心を刺激したらしく、子供達は石を投げて応戦し始めました。
さすがにこれには堪らず、いずみは慌てて裏路地へと逃げ込みました。

数分後

やがて子供達の悲鳴を聞きつけた近所の大人や警察官が、総出でいずみを探し始めました。
いずみは空き地の植え込みに隠れてその様子を見ていましたが、出るに出られない状況になってしまいました。
(ああ~この頭の結び目さえ解ければ
腹踊り姿を何とかしようと、一人でもがいていると、そばに人の気配がしました。
「!」
「今ならボク以外誰もいないよ、さぁ、こっちに来て!心配しないで、ボクは味方だよ。」
そう言うといずみの作り物の腕を掴み、ぐいぐい引っ張る小学生の男の子がいます。
視界が得られないいずみは、少年の案内を信じるしかありませんでした。
「とりあえず、騒ぎが大きくなる前にボクの家に行こう!」
少年は常に辺りを見回し、誰もいないことを確認していずみを案内します。
(悪い子じゃなさそうねとにかく今はこの子が頼りだわ
最初は戸惑っていたものの、いずみとしてもこの少年に頼るより他に手がないのでした。

やがて二人はマンションの一室に辿りつきました。
「さぁ入ってでも静かにね
少年の指示通り、いずみもひょこひょこと部屋の中に入ります。
少年の個室らしき部屋に通され、いずみはベッドの上にちょこんと座らされました。
この時、部屋の明かりを受けて、ようやくいずみは自分が半裸であることを思い出しました。
(きゃ、きゃああああ!わたし、おへそや胸をこの少年に見られちゃってるぅ!)
恐怖と恥ずかしさと緊張感から体がプルプルと震え、お腹の顔の落書きが眉をひそめます。
「すごいなぁ、宇宙人がうちに来てくれたなんて!」
少年は深々と嘆息して呟きました。
(え?)
「みんなに見つからないようにしないとね?宇宙人さん!」
(ええ~!?この子わたしを宇宙人だと思ってるの~!?)
あらためて耳を澄ますと、表から町の人達のざわめきが聞こえてきます。
「何か正体不明の化物がでたらしいぞ。」
「身の丈2メートルの宇宙人らしい
少年にも騒ぎは聞こえているようです。
「ね?大騒ぎでしょ?だから今はここにいた方が安全なんだよ
あまりの展開に腰が抜けたいずみはお腹で「うん」とうなずくしかありませんでした


「おぃ、何を騒いでるんだ~?」
突然、ドアの向こうから、別の人物の声が響いてきました。
「あ、お兄ちゃん大丈夫だよ、宇宙人さん。この人はボクのお兄ちゃん。」
しかしいずみにとって、その声は聞き覚えのあるものでした。
「おぃ、竹丸、なんだよ宇宙人って
(こ、この声は菊丸くん!?って事は
そう、この純粋に宇宙人を信じる少年は菊丸の実弟、竹丸だったのです。
「お兄ちゃん、見てよ。宇宙人を捕まえたんだ!!」
何も知らない竹丸は、誇らしげに菊丸に「いずみ宇宙人」を紹介します。
(こ、これはいずみちゃん!?)
「宇宙人」を一瞥するなり、菊丸はたちどころにその正体を悟りましが、顔色一つ変えず、竹丸に語り始めました。
「う、うーん良く捕まえたな、竹丸。この宇宙人はなかなか兇悪なんだぞ。」
「そ、そうなの?」
言い終えるや菊丸はベッドに飛び乗り、いずみの後ろに回りこみました。
「こいつは目から光線が出せるんだこうやって、この目の先っちょから
いずみの背後から菊丸の腕が伸び、左右の手がいずみの胸の先端をコリコリとつまんで転がします。
(や、やぁん!バカァ!)
「白いレーザーがぴゅ~って発射されるんだぞ。」
「へ、へぇでもこの宇宙人さんレーザー出さないよ?それに何だか悶えてる感じ
「う、う~それはきっとまだ下っ端なんだよ。レーザーの携帯が認められてないんだね。」
菊丸のデタラメなホラ解説を竹丸はすっかり信じきっています。
揉んだり、擦ったり、転がされたりと激しく先っちょを責め立てられるうちにいずみの体は火照り、汗が再び流れ始めました。
「あお兄ちゃん、宇宙人さん暑いみたいだよ?そうだ、ちょっと待っててね!」

竹丸が突然部屋を飛び出し、いずみと菊丸は部屋に残されました。
「いずみちゃん、今正体をバラす訳にはいかないのは分かってるよね?」
菊丸が更に胸を揉みながらそっと耳打ちします。
「あっああや、やっぱりわたしだって気づいてたのね!この変態!ああん!」
「しっ、静かに竹丸に君の正体がバレちゃっていいの?そうなったらいずみちゃんを見る目が変わっちゃうんだろうなぁ竹丸は純情だからグレてしまうかもしれない
先っちょを刺激されて意識が混乱するいずみに、菊丸は容赦なく弱みを突きます。
「ひ、卑怯者~!!」
「うまくごまかせたら、後でその固まった結び目を解いてそっと逃がしてあげるからここはお互い協力しない?」
「わ、わかったわよ
胸をいじめる菊丸の手を振り払い、いずみが渋々承諾すると同時に竹丸が部屋に戻ってきました。
「さぁ、宇宙人さん、こっちに来て!」
「?」

 どれを選択しますか?

(A)竹丸についていく
(B)
菊丸にお願いする
inserted by FC2 system